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飼料のまめ知識

配合飼料ってどんなものでつくられているんだろう?どうやって安定して安全な飼料がつくられているんだろう?そんな飼料に関する様々なまめ知識を、Q&A方式でご紹介するコーナーです。配合飼料ってどんなものでつくられているんだろう?どうやって安定して安全な飼料がつくられているんだろう?そんな飼料に関する様々なまめ知識を、Q&A方式でご紹介するコーナーです。

おいしい生卵ごはんが食べられるのは日本だけ?

生卵ご飯 Answer

欧米諸国では食中毒を防ぐため卵を充分に加熱する
(両面をしっかりと焼く等)ことが勧められています。
卵はごくまれにサルモネラ等の病原性微生物や
ウイルスに汚染されていることがあるからです。
しかし日本では、卵かけごはんやそばやうどんのトッピング等、
日常的に生卵を食べる習慣があります。
生卵ご飯
さて、日本ではなぜ卵を生で食べることができるのでしょう?
その答えは、「流通過程」の対策や「飼育段階」の対策にあります。

まず、卵が微生物やウイルスに汚染される経路は、
①卵の殻の表面に微生物やウイルスが付着した場合
②鶏の体内で卵が作られる過程で微生物やウイルスが取り込まれる場合
です。
①については、表面に付着した微生物やウイルスを取り除くため、流通過程で卵がパックされる前に卵の殻が洗浄、殺菌されています。

卵パックしかし②はどうでしょう?
②は卵の内部の問題なので、簡単には取り除けません。そこで重要なのが「飼育段階」の管理です。

日本国内の養鶏場では、鳥インフルエンザなどの伝染病を防ぐため、厳重に環境対策が行われています。それに加えて、安全性が確認された原料を使った「配合飼料」の供給など様々な工夫が実施されています。特に、鶏が食べる「配合飼料」から病気に感染するような事態はあってはならないため、安全なだけでなく、より効率的で美味しい「配合飼料」が供給されています。
卵パック
「卵」一つをとっても、ここまで工夫して安全を考慮しているから、日本では美味しい「生卵ごはん」が食べられるのですね。
※生卵は殻を割ってから食べるまでの時間に菌が増加することがあります。
また購入後の温度管理や保管・調理を正しく行うことが大切です。

「配合飼料」ってなに?

Answer

配合飼料とは、「牛、豚、鶏、魚類」などのエサとして、トウモロコシやマイロ、麦、ふすま、粕類など、種々の原料を配合・加工して、「栄養素が調整された飼料」です。保存性が高く使用法が簡便なことも特徴で、家畜の種類や発育ステージごとに家畜栄養学に基づいて最適なバランスで給与されます。

配合飼料の主な原料

魚粉 精白米 菜種かす 大豆かす ふすま マイロ トウモロコシ魚粉 精白米 菜種かす 大豆かす ふすま マイロ トウモロコシ
家畜の体重を1kg増加させるのに必要な飼料ってどのくらい?家畜の体重を1kg増加させるのに必要な飼料ってどのくらい?

家畜によって飼料が違うって本当?

Answer

はい、本当です。乳牛や食用牛、豚や鶏で与えられる飼料が変わります。

家畜に給与する飼料の種類

家畜に給与する飼料の種類

家畜の種類 飼料の種類
乳牛 粗飼料中心 ・稲わら、乾草
・サイレージ
 (発酵粗飼料:牧草、トウモロコシ、飼料イネ)
肥育牛 粗飼料と濃厚飼料 ・稲わら、乾草
・サイレージ
・配合飼料
・植物性の食品副産物(おから等)
養豚 濃厚飼料中心 ・配合飼料
・食品副産物(ビール粕、パン屑等)
養鶏 濃厚飼料中心 ・配合飼料
・食品副産物(ビール粕、パン屑等)

粗飼料とは、一般的に「生草、サイレージ、乾草」のことを指します。
濃厚飼料とは、一般的に「穀類、マメ類、イモ類、食物性油脂類、ヌカ類、製造粕類、動物性飼料、酵母類、油脂類」
のことを指します。

配合飼料の生産量が1番多い地域はどこ?

Answer

配合飼料の生産量は、鹿児島県が1番。次いで茨城県、北海道と続きます。また、配合飼料の工場数は1位が北海道、次いで鹿児島県、茨城県となります。配合飼料原料のトウモロコシなどをアメリカやブラジル・アルゼンチンといった海外からの輸入により得ているため、工場は太平洋側の新たに整備された港湾地域への集約が進展しています。

主な生産地 1位鹿児島県 2位茨城県 3位北海道 4位青森県 5位愛知県
主な生産地 配合飼料
生産量
(万トン)
1位 鹿児島県
(志布志、谷山)
420
2位 茨城県(鹿島) 395
3位 北海道
(苫小牧、釧路等)
353
4位 青森県(八戸) 200
5位 愛知県
(知多、碧南、豊橋)
191
全国計※ 2.393

資料:農林水産省(平成25年度)
※その他混合飼料を含む総合計 

配合資料工場の立地状況配合資料工場の立地状況

原料の穀物が輸入できなくなったらどうするの?

Answer

飼料業界では、原料生産国での輸入が一時的にストップした時のために、穀物等の原料を一定量備蓄してあります。
もし、配合飼料の供給がストップしてしまうと、畜産農家で家畜の飼育ができなくなってしまい、消費者の皆様への食用肉や卵、乳製品の供給ができなくなってしまうため、万が一に備えた対策をとっています。

※事業内容の「飼料穀物の備蓄対策」を見て下さい。